こんにちは。
AYA世代での乳がん経験のあるsoraといいます。
私は乳がんと診断されて手術をすることが決まったとき、
と不安に思った経験があります。
そこで、乳がんの手術で仕事を休むときの療養期間の目安や、休暇を取得するための手順が分かるようにまとめました。
乳がん手術の療養期間
ここでお話しする“療養期間”とは、[手術のために入院する期間]と[退院後に自宅療養する期間]を合わせた期間のことです。
乳がん手術の療養期間 = 入院期間 + 自宅療養期間
入院期間と自宅療養期間のトータルによって、仕事を休む期間も決まる、と考えると分かりやすいです。
乳がん手術の療養期間 = 仕事を休む期間
次に、乳がん手術の療養期間を算出できるように、[入院日数の目安]と[退院後の自宅療養期間の目安]をみていきますね。
入院期間の目安
入院日数は手術内容によって異なります。
手術内容ごとの入院期間の目安は次のとおり▼
引用元:福田 護 監修、最新 乳がん治療“納得して自分で決める”ための完全ガイド、主婦と生活社、2019年
手術内容 入院期間 乳房部分切除術+センチネルリンパ節生検 約4日間 乳房切除術あるいは部分切除術+腋窩リンパ節郭清 約10日間 乳房切除術+同時乳房再建術 約14日間
手術を受ける病院によっても入院期間には差があります。
どのくらいの入院日数になる予定なのかを、あらかじめドクターや看護師さんへ確認しておくと安心できます。
自宅療養期間の目安
病院での治療が完了して退院した後は、職場復帰をするまで自宅で療養を続けることになります。
私も職場で療養休暇を取得する必要があったので、看護師さんへ尋ねてみました。
自宅での療養期間の目安はどのくらいでしょうか?
聞いてみた結果は
人それぞれで自宅療養する期間は異なります。
です。
つまり、自宅でどのくらい療養するかの明確な基準はないので、
自宅療養期間は患者自身で決めることになります。
でも結局のところ、どのくらい自宅療養すればいいのかがはっきり分からないと困りますよね。
そこで、自宅療養の期間を決めるポイントをまとめました。
自宅療養の期間を決めるためのポイント
自宅療養の期間を自分自身で決めるためのポイントは次のとおりです。
1つずつみていきますね。
ポイント① ドクターや看護師さんに相談する
まずは、「職場復帰までにどれくらいの療養期間が必要なのか?」をドクターや看護師さんに相談してみましょう。
ドクターや看護師さんの意見を参考にすることで、療養計画を立てやすくなります。
相談する際には、次の点について具体的に伝えておくと、より明確な意見を得られると思います。
どういった仕事内容なのかを伝える
例えば、重たい荷物を持ち運ぶ仕事なのか、それともデスクワーク中心の仕事なのかでは、復帰できる目途は異なります。
そのため、自分の仕事内容を伝えたうえで、どのくらいの療養期間が要りそうかを相談するのが良いと思います。
通勤手段は何かを伝える
通勤手段が車通勤なのか電車通勤なのかによっても、復帰するまでには若干の差があります。
特に、手術で腋窩リンパ節郭清を受ける場合は、腕の可動域が回復するまでに日数がかかる場合があります。
車の運転ができるようになるまでにそれ相応の日数がかかることが予想されます。
車通勤の場合は、「手術後どのくらいで車の運転ができるようになるか?」といった一般的で分かりやすい目安を聞いてみるのも良いと思います。
ポイント② 職場の制度や規定を確認する
職場の制度や規定を確認し、次の点について把握しておきましょう。
正規雇用の場合だと、多ければ3カ月以上取得可能な場合もありますし、
非正規雇用の場合だと、意外と休暇取得可能な期間が短いという可能性もあります。
ポイント③ 自分の感覚に従う
最終的には、「自分ならこれくらいの療養期間が必要だろう」という自分の感覚に従って決めるのが良いと思います。
人それぞれで手術内容、体調、仕事内容も異なるので、
「自分はどのくらい休みが必要になりそうか?」についてはご自身が一番よく分かっているはず。
なので、最終的には自分の感覚が正しいと信じて決めていいと思います。
私は看護師さんに療養期間について相談したときに、
「soraさんとしてはどのくらいの期間を休みたいと思ってるの?」と聞かれて
「できれば退院して3週間くらいは休みたいです・・・」と答えると
「soraさんの思われている通りでいいと思いますよ(スマイル付き)」と言われて、ふっと気が楽になりました。
私は自分の心身の調子を考えると、“休めるだけ休みたい”という気持ちが強かったです。
自分が休みたいと思う期間を休むことは、心身にとっての安心材料になると思います。
療養休暇を取得するための手順
職場で療養休暇を取得するためには手続きが必要となります。
療養休暇を取得するための主な手順は次のとおり。
1つずつみていきますね。
手順① 上司や人事への報告
まずは病気が判明した時点で、直属の上司には報告を入れておきましょう。
そして、療養期間の予定が分かったら、いつからいつまで療養休暇を取得する必要があるのかを報告しましょう。
一般的には、自分から上司へ報告したら、あとは上司から人事等へ連絡をしたうえで、手続きに必要な指示をしてくれることが多いと思われます。
手順② 診断書の取得と提出
療養休暇を取得する場合は、職場から医師の診断書を提出するように指示を受けることが多いです。
職場から診断書を提出するように指示を受けたら、次の点を確認しておきましょう。
診断書を取得するためには、ドクターへ療養休暇用の診断書を依頼しましょう。
診断書を依頼すると、おそらく「いつまでの療養期間で診断書を書けばいいのか」を確認されると思うので、「いつまでの療養期間で書いて欲しいのか」を伝えておきましょう。
診断書を取得するタイミング
診断書を依頼しやすいタイミングは、入院時~入院中です。
入院後に医師に会う機会は絶対にあるはずなので、医師が病室を訪れた際に依頼するのが良いと思います。
また、入院手続きの際にひとまず、手続きを担当してくれる人へ「診断書を取得したいけどどうしたらいいのか?」を確認しておいても良いかもしれません。そうすればあとは「医師に直接依頼してください」とか「診断書に必要な項目を教えてください」とか、案内してもらえると思います。
依頼した時に、いつ頃までに診断書を書いてもらえるのか、職場の提出期限に間に合うのかも確認しておきましょう。
診断書の提出方法
職場から診断書の提出方法に指定がある場合はそれに従いましょう。
特に提出方法の指定がない場合は、郵送で送付すると良いです。
職場へ直接持参する方法もありますが、療養休暇を取得している立場なので、わざわざ無理をして職場へ行く必要はないと思います。
郵送で送付する場合は、普通郵便でも構いませんし、必要に応じて以下のように郵送方法を使い分けると良いです。
郵便物の追跡サービスを利用したい場合 → 簡易書留、レターパックライトなど
郵便物を対面で確実に受け取ってもらいたい場合 → 簡易書留(受け取り時に受取人のサインが必要)
ちなみに私は、郵便窓口に持ち込んで普通郵便で発送し、無事に上司宛へ提出できました。
普通郵便の場合は、郵便物に切手を貼ってポスト投函することもできますが、郵便窓口に持ち込んでの発送がおすすめです。
窓口であれば郵便料金の不足や間違いを防ぐことができます。
また、切手を貼っていない状態の郵便物をで郵便窓口へ持ち込むと、切手の代わりに証紙というシールを貼ってもらえます。証紙が貼られていると、郵便窓口で発送したことが受取人にも分かりますし、発送日がはっきりと記載されているので、ポスト投函よりも丁寧な印象を与えることができます。普通郵便であることに変わりはないので、ただの印象の差ですが…笑。
手順③ 傷病手当金の申請
健康保険に加入している場合は、傷病手当金として健康保険から給付金の受け取りができることがあります。
傷病手当金の支給には一定の条件があるため、上司、人事、または加入先の健康保険へ確認しましょう。
傷病手当金を申請する場合は、療養期間を証明するための医師の診断書や、実際に療養休暇を取得した期間とその間の給与の支払有無などについて会社の証明が必要になります。
実際に療養休暇1か月で職場復帰した体験談
実際に私が養休暇を取得して職場に復帰した体験談です。
2度目の乳がんのとき、私は[乳房部分切除術+腋窩リンパ節郭清]の手術をして、入院期間は10日間でした。
私の療養休暇の取得可能期間は会社の規定で1か月間まで。
なので、退院後の自宅療養は約3週間にしました。
入院期間と自宅療養期間を合わせてちょうど1か月間になる設定です。
結果として、1か月間の療養期間でちょうど職場復帰に間に合う身体のコンディションでした。
腋窩リンパ節郭清をしていたため、職場復帰をする時点ではまだ腕が真上に上がりきらない状態で、重たい荷物を持つこともまだ難しい状態でした。
私は事務職だったので、それでも支障なく仕事ができる感じにはなっていました。
車の運転に関しては、私が実際に車を運転できるようになったのは退院後2週間を過ぎてからです。
退院後2週間ではまだうまく腕を動かせなかったり、腕に力が入らなかったりしたので、初めは短い距離を運転してみて、徐々に距離を長くしながら運転の感覚を取り戻していきました。
もしも退院後3週間ではなく、退院後2週間で職場復帰することになっていたら、身体のコンディション的にはぎりぎりだったと思います。
腋窩リンパ節郭清をした後、腕の可動域を広げるのにはかなり日にちがかかったので、退院後2週間では車の運転に不安がある状態でした。
なので、私にとっては退院後3週間の休みを取っておいて正解だったな、と思いました。
実際に職場復帰をした最初の1週間はかなり疲れました。
手術によって体力が奪われていたのと、自宅療養で身体が鈍っていたのとが重なったのか、職場でフル稼働してみると体力が追い付かない感覚がありました。
最初の1週間の勤務を乗り越えたら、やっと正常運転に戻ってきた感じ。
1か月ぶりの出勤でメンタル的な緊張感もありました。
一定期間休んだら、身体が慣れるまでに時間がかかるのは仕方ないことですが、
職場復帰までにしっかりと休養できたのが良かったです。