放射線治療中に働くには?治療と仕事を両立するポイントと体験談

放射線治療中に働くには?治療と仕事を両立するポイントと体験談 治療と仕事

こんにちは。

AYA世代でのがん経験のあるsoraといいます。

今回は、放射線治療と仕事の両立をテーマにしました

放射線治療は仕事をしながらでも通院で治療をすることができます。ただし、仕事をしながらの治療なので、体力も要りますし、時間的なスケジュール管理も必要になってきます。

私自身も仕事をしながら放射線治療に通院しました。その経験を基に、放射線治療と仕事を両立するためのポイントや、治療スケジュールの決め方について記事にまとめています。

お役立ていただければ幸いです。

放射線治療と仕事を両立する大切なポイント

放射線治療と仕事を両立するために考えておきたい大切なポイントは、

身体の負担にならないように、1日のスケジュールを立てること

です。

 

放射線治療を始める時期は、手術や抗がん剤治療がひと段落してやっと仕事に復帰したばかり、という方も多いのではないでしょうか。そのため、ついつい仕事に意識が向かって、放射線治療よりも仕事中心のスケジュールを立ててしまいがちになるかもしれません。

私もそうでした。
放射線治療に通う時間を病院の営業終了に間に合うくらいの時間に設定して、ぎりぎりまで仕事をしようと思っていました。ですが、「治療時間を考え直して、身体に負担がかからないスケジュールにしなさい」という家族からの指摘を受け、通院時間を見直すことに。

結果、身体の負担にならない程度のスケジュールに変えて正解でした。
私は抗がん剤治療後から放射線治療を始めましたが、抗がん剤治療の副作用はまだ残っているし、体力も回復しないままの状態でした。その状態で、仕事をこなしながらほぼ毎日通院する、という日々は、想像していたよりもハードなものでした。

また、放射線治療による副作用で、1日中、肌の痒みや痛みを感じたり、就寝時も痒みであまり寝付けなったりと、地味にじりじりとした負担を抱えるようになっていきました。

 

ですから、私の体験から言えるのは、

身体の負担にならない程度のスケジュールを立てることが、健康管理に繋がるので、とても大切だ

ということです。

放射線治療に通う時間の決め方

仕事をしながら放射線治療に通う場合、やはり気になるのは「通院時間」ではないでしょうか。

 

乳がんの場合は一般的に、放射線治療の回数は30回前後かと思われます。1回の治療時間は10~20分程度のことが多いようです。

病院が営業している平日は毎日通院して、決められた回数分の治療を受けることになります。

つまり、トータルで約1か月半の期間は、平日は毎日通院することになります。(※病院によっては土日祝も通院する場合があります。)

 

病院にもよりますが、放射線治療の通院時間を決めるにあたっては、ある程度は自分の希望時間を考慮してもらうことができます。希望する時間帯で空いている枠があれば予約が取れる、という仕組みです。基本的には、1回目から最終回まで同じ時間枠で治療していくことになります。

 

1か月間以上かかる放射線治療の間、仕事と通院との折り合いを付けなければならないので、私も放射線治療に通う時間については、結構ヤキモキと考えました。

 

そこで、できるだけ論理的に通院時間を決めるために確認しておきたいことと、身体に負担がかからないスケジュールにするためのポイントを紹介していきます。 

通院時間を決めるために、確認しておきたいこと

  • 治療回数は何回か?
  • 1回の治療にかかる時間はどのくらいか?
  • 日中どのタイミングで通院するのがベターか?

上記の確認事項を踏まえて、最終的に自分の希望時間を割り出していきます。

 

治療回数は何回か?

まずは病院で、予定されている放射線治療の回数が何回なのかを確認しておきましょう。

前述しましたが、乳がんの場合は一般的に、放射線治療の回数は30回前後になることが多いです。病院が営業している平日は毎日通院して、決められた回数分の治療を受けることになるので、治療期間はトータルで約1か月半かかります。

また、放射線を照射する機械の不具合や故障が生じた場合は、治療ができない日が発生して延期になったり、風邪など体調の理由によって治療が延期になることも考えられるので、治療期間には余裕を持っておくと良いです。

私は実際に病院で機械のトラブルが何度か起きて、復旧するまで治療ができなくて、治療の開始時間が遅れたり、全く治療ができない日が生じたこともあります。

 

1回の治療にかかる時間はどのくらいか?

病院で、1回の治療に最大でどのくらいの時間がかかるのかを確認しておきましょう。

乳がんの放射線治療では、1回の治療時間は10~20分程度のことが多いようです。

治療時間は比較的に短時間ですが、これはあくまでも、放射線治療室に入って放射線を照射して終わるまでの時間のことです。

放射線治療室に入るまでには、受付をして、治療着に着替える時間も必要です。また、治療終了後は、再び着替えますし、週に1回はドクターの診察があったり、会計をして薬を受け取ったりする時間もかかります。

なので、治療時間以外にもどのくらいの時間がかかるのかを考慮しておきましょう。

 

私の場合の例

私の場合の例ですが、

★通常日は
【受付→着替え→照射→着替え→受付】の一連の流れが終わるまでに、約30分かかります。

★週に1回、ドクターの診察と会計がある日は
【受付→着替え→照射→診察→着替え→会計→薬の受取】が一連の流れとなり、その場合はトータルで約1時間かかります。

 

なので、「1回の治療にどのくらいの時間がかかるのか?」は、たとえ週に1回だとしても、最も長くかかる時間がどのくらいなのか?ということを想定しておくことが大切です。そして、この最も長くかかる時間に合わせて、タイムスケジュールを立てることがポイントとなります。

さらに、自分より前の順番の患者さんの治療時間が予定よりも遅れることも、たまにあります。前の患者さんの治療が終わらないと、次の人が治療に入ることはできないので、自分がどんなに早く到着していても、前の患者さんの治療を待つことになります。

そういったことを加味して、仕事と通院時間の兼ね合いを考えるときには、余裕を持った時間を治療時間に設定しましょう。

単体の治療時間だけではなく、病院に着いてから帰り始めるまでのトータルでかかる最も長い時間を、治療に必要な時間」だと考えることが大切です。

 

日中どのタイミングで通院するか?

続いては、日中どのタイミングで通院するのがベターなのかを考えていきます。

病院で放射線治療を受けられる時間帯は、病院が営業している時間内になので、多くの場合は朝から夕方前までの間になります。

 

仕事を抜けるパターンを考える

日中に仕事をしながら通院する場合、想定できるパターンは3つです。

  1. 早退:仕事をしてから、早退して病院へ行くパターン
  2. 遅刻:病院へ行ってから、遅刻して出勤するパターン
  3. 中抜け:仕事を中抜けして病院へ行き、治療が終わったら再び職場に戻るパターン

 

・【早退】のパターンは、仕事が終わった後は病院へ行くだけなので、少し気が楽になりそうです。

・【遅刻】のパターンでは、病院での治療が終わった後に仕事が待っている状態なので、ややストレスを感じそうです。

・【中抜け】のパターンは、仕事の合間を縫って病院へ行くので、結構ストレスを感じそうです。

 

位置関係と移動距離から考える

どのパターンで通院するのが良いのかを、自宅・職場・病院の位置関係からも見ていきます。

  1. 自宅―職場―病院
  2. 自宅―病院―職場
  3. 病院―自宅―職場

 

・【位置関係がA】の場合、早退・遅刻・中抜けのどれを選択しても通院しやすいかと思います。

・【位置関係がB】の場合、早退・遅刻での通院はしやすいですが、中抜けで通院するのは移動距離が多くなり、その分時間もかかります。

・【位置関係がC】の場合、A・B・Cの中で最も移動距離が長くなります早退・遅刻での通院はできるとしても、中抜けでの通院は移動距離が長くなるため、時間と労力が相当にかかってしまいそうです。自宅↔︎病院と自宅↔︎職場がどちらも近距離で、どちらの移動時間も5分程度だ!ということであれば、Cの位置関係でも中抜けでの通院にあまり負担を感じることはないかもしれませんが…。

 

「早退・遅刻・中抜け」のパターンと「自宅・職場・病院」の位置関係についてみてきました。

最終的には、ご自身の仕事の時間帯(日勤なのか夜勤なのか等)を考慮する必要もありますし、自宅・職場・病院の距離と移動時間がそれぞれどのくらいか、によって現実的に通院できるかどうかは変わってきますので、じっくりと考えることが大切です。

私の場合、位置関係はA(自宅―職場―病院)で、自宅↔︎職場が30分・職場↔病院が30分の移動時間でした。私は先に仕事を済ませた方が気が楽だったので、仕事を早退してから治療に通うことを選びました。

ちなみに私としては、仕事をしながら毎日通院するだけでも大変だと感じたので、中抜けはおすすめしません。自宅・病院・職場への往復で身体が疲れてしまって、免疫力が下がってしまっては元も子もないと思うのです。

 

最終的に、希望時間を割り出す

これまでに確認してきた項目を総合的に考えて、自分が希望する通院時間を決めていきましょう。

ここで大切なのは、約1か月以上の間、自分の体力や免疫力を維持できる程度内で、仕事と治療ができるかどうかを考えることです。

 

あとは、自分で割り出した希望時間を病院と職場で折り合いをつける必要もあります。

病院では、空いている時間帯の枠に予約を入れるしかありません。病院によっては、治療途中でも空いている時間枠があれば、治療時間の変更に応じてもらうこともできることがあるので、相談してみるといいです。

職場へは予め、1か月間ほど放射線治療のために仕事を早退するか遅刻するか、もしくは中抜けするか、で勤務時間の調整が必要になる旨を伝えておき、病院での治療スケジュールが決まり次第、職場へ結果を報告するのが良いかと思います。

 

私の事例(実際のタイムスケジュール)

参考に、私の実際のタイムスケジュールをご紹介します。

私は仕事を早退して放射線治療に通いました。

仕事と治療のタイムスケジュール
  • 7:15
    自宅から出勤(車で30分)

  • 8:00~
    仕事

  • 14:00
    仕事を早退し、病院へ移動(車で30分)

  • 14:55
    受付・着替え

  • 15:10
    放射線治療開始

  • 16:00
    診察・着替え・会計・薬の受取を済ませて、自宅へ移動(車で60分)

    (診察・会計・薬の受取がない日は、終わるのが15:30頃になります)

  • 17:00
    帰宅

    (診察・会計・薬の受取がない日は、帰宅するのが16:30頃になります)

 

職場の終業時間は17時なので、当初は、15時に早退して、病院での治療開始時刻を16時~にすれば、平常通りの時刻には帰宅できるかと安易に思っていたのですが、家族にそのことを伝えたところ、かなり反対されました。仕事に加えて通院を1か月以上も続けるのに、それでは自分の体力がもたないでしょうが、と。もっと早い時間に治療をして、時間に余裕を持って通院しなさい、と。家族からの忠告により、私は14時に早退して、病院での治療開始時刻を15時~にしました。

結果として、家族からの忠告に従って正解だったな、と思います。

治療開始時刻を16時~にしていたら、診察などがある日は、平常時よりも帰宅時刻が30分以上は遅くなっていたはずです。また、抗がん剤の副作用もまだまだ残っている状態でしたし、仕事と毎日の治療を掛け持ちすることは、思っていた以上に気力も体力も消耗している感覚がありました。

また、早退する時間は治療開始時刻の1時間前に設定して余裕を持っておきました。たまには仕事が早退時刻にピタッと切り上げられないこともあり、そんな時は少し焦ってしまいましたが、余裕を持った時間にしていたおかげで、十分間に合うことができました。

治療と仕事の両立の難しさとは

治療と仕事の両立は、自分だけのことではなくて、職場の上司や同僚にも仕事量や分担が関わってくるので、周りの人にもかなり気を遣ってしまいます。

職場の人には、毎日早退することになって申し訳ない気持ちを持ってしまい、いつもよりも気を遣ったりと、メンタルの消耗も大きいので、そこが大変なところだな、と感じています。

また、中には療養や治療に対しての理解が薄い上司や同僚がいる場合もあるので、そことの付き合い方に苦労することもあったりしますが、基本的には、そういう相手の言うこと思うことはスルーで良いと思っています。治療や健康に関して何かあっても、その人や会社は責任取ってくれませんから。

そういった思いの中、どういう状況であれば1か月以上、仕事・治療・健康を保てていけるのかを真剣に考えて決めた治療時間ですから、それを大切にしていきたいですね。

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