こんにちは。
AYA世代での乳がん経験のあるsoraといいます。
私は乳がんに2度罹患したことがあります。
初めて乳がんに罹患したのは32歳のときでした。
当時、腫瘍のサイズは3㎝を若干超える大きさでした。
乳房を全摘するかか部分切除にするかの一般的な目安がちょうど3㎝だったので
私はどちらを選択するべきなのか、本当に悩みました。
でも、考えても考えても、どうしても、乳房を全摘することを私は受け入れることができませんでした。
予後のためには乳房を全摘したほうがいいのかもしれない、だけど、乳房を全摘した後のことを想像すると、精神的に憔悴しきった自分の姿が見えました。
乳房を切除した後も私は生きていかなければなりません。だから、少しでも自分の気力が保てる方として、部分切除を選びました。
けどね、部分切除にしたからといって、自分の乳房を切り取られることは、それでもまだ受け入れがたかったです。
全摘にするか部分切除にするかの選択で悩み迷ったとき、自分と同じく乳がんに罹患された方々の経験談をインターネットで検索したりしました。
全摘すること・部分切除することを決断された方々の経験談を拝見しました。
自分の意志でそういう決断をされていることが、本当に凄いなと、思いました。
だけど、私は違った。
私は、消去法で部分切除を選んだに過ぎませんでした。
自分の中で、乳房を切除することを、まだ、受け入れられていませんでした。
だけど、そうは言っても自分の中にあるがんは早く取り除いて欲しいと思っていました。
手術の日程が決まり、日にちが経ち、いよいよ手術の前日になりました。
手術の前日から入院しました。
明日が手術だというのに、私の心の中にはまだ、乳房への執着というか、切除されることへの悲しさやつらさが渦巻いていました。
このまま、明日の手術を迎えていいのか・・・
それで自分は納得できるのか
手術の前日の夜になっても、モヤモヤとした気持ちは収まりませんでした。
「このまま自分の乳房と別れてはいけない。」と強く感じました。
入院の記録用にと持ってきていたルーズリーフの用紙とボールペンを取り出して、
用紙の冒頭に
「私のお胸さんへ」
と書き、
続けて、自分の乳房への思いの丈を書き綴りました。
自分の乳房に対して思っていることを全部、乳房へ伝えるように、たくさんの言葉を書きました。
それが私から自分の乳房への手紙でした。
本当は切除することがすごくいやなんだっていうことも、
すごくかなしいんだっていうことも、
ごめんなさいという気持ちも、
許してくださいという気持ちも、
ありがとうという気持ちも、
愛しているという気持ちも、
心の中にあることはすべて。
ひとしきり書き終わると、
その手紙の冒頭から、今度は声に出して読み、自分の乳房へ読んで伝えました。
涙が止まりませんでした。
手紙を読み終わり、自分の乳房に思いのすべてを伝えられた。
そうしてやっと、私は明日の手術をむかえることができました。
乳がんで自分の乳房が切り取られることがつらい、と感じている方がいらっしゃいましたら、乳房さん宛てにお手紙を書いてはいかがでしょうか。
これは私の考えですが、きっと気持ちの整理をつけることに繋がると思っています。
私は、2度目の乳がんに罹患した時も、自分のお胸さん宛てに手紙を書きました。
抗がん剤治療で髪が脱毛していくときには、自分の髪の毛さん宛てに手紙を書きました。
別れるのが怖いとき、感謝を伝えれば、きっと何かが変わると思っています。