がん告知でショックだけど翌日は仕事に行くべき?休んでもいい?体験談から解説

がん告知でショックだけど翌日は仕事に行くべき?休んでもいい?体験談から解説 治療と仕事

こんにちは。

AYA世代でのがん経験のあるsoraといいます。

 

がんの告知を受けたら、ショックや不安で相当なストレスがかかりますよね。

私もがんの告知を受けた経験が2度ありますが、がんと診断された時の精神的ショックは、当人にしか分からないほどに大きなものだと思います。

そうしたショックは告知直後がもっとも大きく、日常生活に支障が出るほど気分が落ち込むこともあります。

そんな中で翌日は仕事・・・。

告知のショックが大きすぎて仕事に行くこと自体を負担に感じるけれど、

やはり仕事には行くべきなのか?それとも休んでもいいのか?

私の体験を基にお話ししていきます。

がん告知の翌日に仕事へ行くか?休むか?

がんの告知を受けた翌日に、仕事に行くべきか?休んでもいいか?

結論からお伝えすると、

自分が無理だと思ったら、仕事を休んでもいい。

と私は考えています。

 

私は2度の乳がんに罹患しましたが、

  • 1度目のときは、告知の翌日に仕事へ行きました
  • 2度目のときは、告知の翌日に仕事を休みました

実際に、告知の翌日に仕事へ行く・休むの両方を経験したうえで上記の結論に至っています。

その理由について、お話していきます。

仕事へ行く場合に想定されること

がんと診断されたショックを脳と心で整理していくにはどうしても時間が必要です。

特に告知直後は、様々な思いや感情が思考を占拠していて脳と心の整理がつかず、精神的に厳しい状態です。

その状態で仕事とへ行くと、どういったことが起こる可能性があるのか?

想定されることを以下にまとめました。

告知の翌日に仕事へ行く場合に想定されること
  • 仕事をするからには、それなりに仕事をこなさなければならない
  • 仕事ができる程度の精神的な状態を保つ(装う)必要がある
  • 落ち込んでいる雰囲気を漂わせないように振る舞うには、それなりのエネルギーが要る
  • ショックを受け止めきれていない場合、気心の知れた人の前では気持ちが緩んで泣いてしまうなど、自分でも意外な行動をしてしまう可能性がある
  • 仕事中も病気のことを考えてしまい、仕事に集中できず注意散漫になる
  • 仕事をしていても、気分の落ち込みが消えることはない
  • 告知直後の心身の疲労に、仕事での疲労がプラスされる

 

告知を受けたショックで自分がどれだけ落ち込んでいても、社会はいつも通りに回っています。

まるで自分とは生きている世界が違うかのように感じられることもあります。

それでも、職場へ行けば自分の役割をこなさなければなりません。

 

上記の「仕事へ行く場合に想定されること」を心構えとして受け入れられるのであれば、仕事に行っても差し支えないと思います。

告知直後の精神状態の中でも仕事上での役割をこなそうという行動は、本当に立派で称賛に値することだと思います。

 

ですが、ご自身が精神的に仕事ができる状態だと思えない場合は、無理をしないことが一番です。

「本当は仕事を休みたいんだ」という気持ちがあるのであれば、後述する「仕事を休む」ことを検討することを私はおすすめします。

参考までに、実際に私が告知の翌日に仕事へ行ったときのことを以下でお話します。

この日のことは数年たっても忘れられないほど、しんどくて辛い日の記憶となりました。

実際に、告知の翌日に仕事へ行った話

私が初めてがんの告知を受けたときのこと。

告知の翌日は、精神的に仕事ができる状態ではない気がしていたものの、当時はごく少人数の職場で働いていたこともあり、急に「今日休みます」とは言い出せない状況でした。

なので、告知の翌日はショックを受け止めきれないまま仕事へ行くことになりました。

すると、どんなことが起こったか。

告知の翌日に仕事へ行った日
  • すでに疲労困憊

    告知のショックでほとんど眠れなかったので、出勤前からすでに疲れています。

  • 通勤中
    通勤中が地獄

    昨日からの気分の落ち込みに加えて、仕事へ行かなければならないという心理的負担、上司に病気のことをどう報告しようかというシュミレーションによる心理的不安も重なって、通勤中はさらに不安定な心情になっていってました。
    眠れなかったせいか倦怠感もあり、職場までがとてつもなく長い道のりに思えました。

  • 職場に到着
    まさかの号泣

    職場に到着し、気心の知れた同僚の顔を見ると、その瞬間に涙がドバーーっと溢れ出てしまいました。
    そのまま泣きすぎて、上司へ諸々を報告することもままならず・・・

  • 始業後
    感情が制御不能

    感情のコントロールが効かずなかなか涙が止まらず、結局まともに仕事を開始したのは始業時間から1時間くらい経ってからでした。

  • 仕事中
    心ここにあらず

    まともに仕事をしていると見せかけつつ、心はここにあらず。
    頭を仕事モードに切り替えようとするも、病気のことが頭から離れません。
    表面的には普段通りを装うように、どうにか取り繕っていました。

  • 終業後
    疲労MAX

    仕事そのものによる疲労と、表面上の自分を取り繕おうとすることに意識やエネルギーが消耗され、仕事が終わった頃には疲労感が極限に達していました。

振り返ってみると、精神的な面で無理して仕事に行ったんだなということが分かります。

今となっては、しんどい状況でもちゃんと出勤したあの時の自分のことを褒めていますが…。

当時は人と接する仕事をしていたこともあり、落ち込んだオーラを漂わせないように普段通りに振る舞うには相当なエネルギーが要りました。

それがかなりしんどかったです。

仕事を休む場合に想定されること

では、告知の翌日に仕事を休んだ場合は、どういったことが起こる可能性があるのか?

想定されることを以下にまとめました。

告知の翌日に仕事を休む場合に想定されること
  • 人前で普段通りに振る舞う必要がないので、余計なエネルギーが要らない
  • 心身の休養ができる
  • 思いきり落ち込みたいだけ落ち込むことができる
  • 思いきり落ち込んで感情を味わうことで、脳内が整理されやすくなる
  • 病気についての情報を集める時間を持つことができる
  • 今後のことを考えるための時間を持つことができる
  • 職場に自分がいなくても仕事は回る

 

仕事を休んだ場合の最大のメリットは、休養するための時間を持てることです。

仕事へ行く場合と比較すると、自分の心の状態に逆らわずに済むので余計なエネルギーを消耗することなく過ごすことができます。

感情を無理にごまかす必要がないので、思いきり落ち込むことができ、脳と心の整理・回復を早めることも期待できます。

 

以上のことから、

自分が無理だと思ったら自分の気持ちに正直に従って、仕事を休んでもいい、と考えます。

参考までに、実際に私が告知の翌日に仕事を休んだときのことを以下でお話します。

実際に、告知の翌日に仕事を休んだ話

私ががんの告知を受けた翌日に仕事を休んだときのことです。

2度目のがん告知を受けた時、1度目のときのことが頭をよぎりました。1度目のときは告知の翌日にどうにか仕事に行きましたが本当に辛かったので。

その時の自分と重ね合わせると、心がもう動きませんでした。仕事ができる気がしなかったです。

そこで、今回は「もう休もう」と思いました。一緒に仕事をしている同僚には急に休むことになるので申し訳ない気持ちもありましたが、いつものようにみんなの前で振る舞って仕事をこなすことが精神的に無理だと判断しました。

 

告知の翌日、思いきって上司へ仕事を休む連絡を入れました。

結果、「休んで正解だった」と思っています。

休んだおかげで、家で静かに一人で思いきり落ち込むことができた、からです。

 

とことん落ち込むだけ落ち込めたので、偽りの元気を演じる必要が無く、余分なエネルギーを出さずに済みました。

思いきり落ち込んだことで、脳と心の整理(回復)が始まるのも、1度目のときより早かったように思います。

 

仕事を休む際、上司には電話で手短に「昨日、病院でがんと診断を受けました。申し訳ないのですが、今日も病院へ行くことになったため、お休みさせてください。今後も治療のためにご迷惑をおかけすることになると思いますが、よろしくお願いします。」的なことを伝えました。

「今日も病院へ行くことになった」という理由はまぁあながち間違いではなく…さすがに「今日は精神的に落ち込んでいるので休みます」とは言えなかったので。相手にも余計に気を遣わせてしまいますし、社会人としてのプライドもあります。

電話でサラッと上司へ診断された病名を伝えておくことで、次に出勤した際に今後の話をする機会を設けやすいだろうということも判断しました。なんといったって、1度目の時は職場で泣きじゃくりながら上司へ伝えましたから…そんなのもう御免でした。

 

1度目での経験を振り返っての判断だったので、仕事を休むという判断は、我ながら良い選択だったと思っています。

休みたいのにどうしても休めない場合

ここまで、告知の直後は自分が無理だと思ったら仕事を休んでもいい。とお伝えしてきましたが、

実際には職場の状況等によって、休みたくても休むことができない場合もあるかと思います。

本当は休みたいけれど仕事に行かなければならない場合は、

「告知の翌日に仕事へ行く場合に想定されること」でお伝えした内容を

あらかじめ念頭に置いておくと、実際に起こったときに対処しやすいかと思います。

「普段通りに仕事をしなければならないのに、できない」と頭を抱えるよりも

「今日は仕事に集中できそうにないけど、仕方がないことだ」と客観的に思っておく方が、無駄にエネルギーを消耗せずに済みます。

 

休みたくても休むことができない場合は、「仕事をしなければならない」とあまり気負わないほうが心身のストレスを軽減できます。

「上司に諸々を報告するために仕事へ行く」ぐらいの気持ちで行く方がいいと思います。

大切なのはご自身の身体ですから、告知直後は仕事についてのハードルを下げて考えていくのがベターだと思います。

どうか、ご無理をされませんように。

仕事を休むときにすること

最後に、告知の翌日に仕事を休むときにすること、についてお話しますね。

告知の翌日に仕事を休むときにすることは、

  • 上司へ休む連絡を入れる
  • 休む連絡をする時に、診断された病名を伝えておく
  • 休む理由は「今日も追加の検査があるので」、「体調がすぐれないので」とかサラッと伝えればOK
  • とことん休む、しっかり休む
  • 自分の気持ちに正直になる

 

休むからには、仕事のことはこれっぽっちも気にせずにしっかり休養しましょう。

職場に自分がいなくても仕事は回るものです。

仕事を手伝ってくれた同僚達へのフォローは後日出勤してからで十分です。

上司へは診断された病名を伝えておくことで、休む理由が正当化されやすいです。今、精神的に仕事ができる状態でないのは、がんと診断されたことがきっかけなので、病気のために仕事を休むことと同等のことだと考えることができます。精神的に仕事ができる状態でないという事実を無理に伝える必要はありません。

また、上司へあらかじめ病名を伝えておくことで、後日出勤してから上司へ治療と仕事のことを相談・報告する機会を設けやすくなるメリットもあります。

 

休んでいる間は、心身の回復のためにも、自分の気持ちに正直になって過ごしましょう。

告知直後は、自分が無理だと思ったら、仕事を休んでもいい。

私は身をもって、そう思っています。

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